あらすじ
小林家は栄一・久美の老夫婦が、息子に会社を譲り、穏やかに暮らす日々。
ある日、1本の無言電話がかかってくる。何回目かの電話で「久美子ちゃんか?」と一言問いかける声がする。それは久美の遠い記憶を呼び覚ます重い一言だった。
久美は、旧姓は麻生久美子。終戦を満州(今の北朝鮮の慶興)で迎える。当時の誰もがそうであったように久美子もまた、この世の生き地獄を見ながらも、かろうじて日本に帰ることができた。久美子は結婚を約束した真吾を待った。真吾もまたシベリアで久美子を思って生きながらえていた。1年が過ぎ、2年3年・・・。7年が過ぎ、久美子は栄一と結婚する。久美と名前を変えて・・・。
真吾は一人娘を嫁がせ、妻を看取り、一人暮らし。軽い脳梗塞を患い、死を考えた時、最後にもう一度会いたいと思ったのは、久美子だけだった。やっとの思いで電話をかけるが・・・。
戦争の事実を受け止めながらも、新しく生きようとした二人には長い影があった。70歳80歳になっても淡い恋心に揺れる二人。たそがれ期の恋はほろ苦く、そして微妙に・・・可笑しい。
日常の中に生きていた戦争・・・。ささやかな小市民の日常を、優しく、切なく、そして可笑しく描き出す山田太一の世界、夏組が今年、あなたに贈ります。
作:山田太一 演出:井村奈緒美
キャスト
小林久美:佐次靖子
栄一(夫):佐次和弘
真理(孫):原涼子
麻生久美子:鈴木享子
坂崎真吾(青年期):山口昌信
坂崎真吾:鈴木均
高木彩(真吾の娘):山口みどり
飯沢鏡子:鈴木道子
沢本芳樹:荻野浩樹
松本光夫:渡邊強
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